一度釣られた魚は釣り針を学習する?魚の学習効果の実験結果は?

   


 
釣りをする人達の間では、一度釣って逃がした魚は釣りづらい!本物と偽物の餌の違いが分かっている!と魚には学習能力や知能があると噂されていますが、真相はどうなのでしょうか?魚が釣り針に対してどれだけ学んでいるのか、実験結果を元に紹介しますね。
 


 
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魚は釣り針を学習する?淡水魚では?

魚が釣り針を体験する機会は二通りあります。一つは、釣られてリリースされたとき。二つ目が、釣られかけて自力で逃げたとき。簡単に業界用語でまとめると次の通り。
「キャッチ&リリース(釣りあげてから逃がす事)」
「バラしたとき(一度針にかかったけど逃げられること)」
 
勿論、他にも可能性は考えられますよ。例えば、釣っている最中糸が切れた。水中に落としたルアーに食いついた。などありますが・・・・その辺は言い出すときりがないのでこの辺にしておきましょう!
  
そこで、本当に釣り針を経験した魚は、針を見分けることができるのか?という視点から、どんな実験が行われたのか紹介しますね。
 

イトヨとカワカマスの実験

オランダ出身のニコラス・ティンバーゲン(動物行動学者/鳥類学者)というノーベル賞を受賞した学者が、「イトヨ」の縄張り意識と繁殖期の巣作りに関した、生物の行動科学の実験を行いました。
 
「Verseau Book魚との知恵比べ」という本では、このティンバーゲン博士が「体にトゲを持つイトヨ」を通して、カワカマスとパーチで実験が行われたと紹介しています。
 


□実験条件と考察
 
実験目的: 小魚のトゲが身を護る武器になるか否か?
 
捕食魚: カワカマスとパーチ
 
捕食される魚: イトヨ・キタノトミヨ・ミノウ
 
トゲの特徴: トゲの大きさと有無で比べる
 
イトヨ・・・トゲが大きい
キタノトミヨ・・・トゲが小さい
ミノウ・・・トゲがない
  
  
□実験内容と結果
カワカマス・パーチの水槽→ イトヨを入れる
口の中を傷つけられて、食いついてもすぐに吐き出した。イトヨは無傷。
 
カワカマス・パーチの水槽→ イトヨ・キタノトミヨ・ミノウを入れる
ミノウ・キタノトミヨの順番に捕食された。
 
カワカマス・パーチの水槽→ トゲを切り落としたイトヨ・ミノウ
ほぼ同じタイミングで捕食された。

 
カワカマスとパーチは、魚の種類で違いを分けているのではなく、「トゲ」に対して反応していた可能性が高いと思われます。
 
ここまでは予想通り&期待通りの結果なのですが、ミノウとイトヨがいる川に生息するカワカマスの胃袋を調べると、イトヨの方が多く捕食されている場合があります。
 
実験結果・・・トゲの有無への学習効果は少ない= 釣り針も同様!と考えられます。
 

鯉・コイとカワカマスでの実験

国を問わず、世界中で一度針がかかった魚は釣れないといわれていますが、オランダのJ.J.ベウケマ(J.J. Beukema )は、「Angling Experiments With Carp 1969年刊行」という著書の中で、コイとカワカマスを使った実験を行っています。
 
コイの実験
1度目にかかったコイと、2度目にかかるコイの確率
→ 釣果が激減。その影響は約1年間続ことが判明
 
カワカマスの実験
→ スピナー(疑似餌・ルアーの一つ)を使用。釣果が約1/30に減少
 
 

ニジマスでの実験

カナダ・ブリティッシュ・コロンビア州の5つの湖で、ニジマスを対象に釣果を調べるという実験が行われて、2006年に発表されました。
 
ここで細かく内容を説明すると、非常に長くなってしまうので、簡単に実験内容と結果だけおお伝えします。


アングラ―(釣りをする人): 8人
釣る条件(1つの湖に対して): 1日/8時間/7~10日間
場所: ブリティッシュ・コロンビア州内の5つの湖
 
実験結果: 釣果が徐々に下がる

  

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クロダイは釣り針を学習する?

先ほどは淡水魚ばかりの実験でしたよね。今度は海水魚、つまり海にいるお魚の釣り針に対する学習能力にについて紹介しますね。
 
この魚は、釣り上げずにバラしてしまうと、その後は特に釣れずらくなるといわれています。そこで、実際に実験して調べてみようということになりました。
 

クロダイでの実験

大学の実験室の研究室で、クロダイを対象に実験が行われました。
1、天然のクロダイを”網”で捕獲
 
2、屋外のコンクリ―トでできた水槽に放流
 
3、暫く放置してから実験開始
 
4、魚が釣れたら切れ目をいれて確認
1回目→ 尾びれの上側
2回目→ 尾びれの下側
3回目→ 背びれの端
 
5、1年繰り返す 
釣り針であることを学習して、その効果は約9か月間続いたと結果がでました。残念ながら尾びれ、背びれが修復してしまうので、実験が終了となったとのことです。
 

ブルーギルでの実験

またまた淡水魚ですが、外来種のブルーギルを対象に類似の実験を行ったところ、62日間学習効果があることが判明しました。
 
 


魚の学習効果の実験で検証したいこと

魚が釣り針を学習するため、一度釣った魚やバラした魚を再度釣る事に、一定期間影響があることが分かりました。
 

なぜ釣り針ということが分かるの?

針にかかることの痛みから、次回目にしたときに避けるようになった、というのが最も妥当な意見だと考えられています。または、針に着いたエサは偽物だ!と分かって、視覚をとおして判断しているとも考えられます。
 

魚は痛覚があるの?

残念ながら、魚の痛覚に関しては、まだ科学的には証明されていないのです。生物学的には二つの意見に別れていますが、まだ証明には至っていないんです。
→ 魚は痛みがあるから暴れる
→ 魚は危険を察知して暴れている
 

痛覚・痛みとは?定義について

生物学的に「痛み」とは、国際疼痛学会によると「実際に何らかの組織損傷が起こったとき、または組織損傷を起こす可能性があるとき、あるいはそのような損傷の際に表現される、不快な感覚や不快な情動体験」とのことです。
 
大雑把に言ってしまえば、魚は体が傷つくとき不快な感覚や不快な情動があるの?ということなんですね。
 

釣り針の学習に対して、他にも検証できる?

・川や湖の魚は、音がするだけで逃げたり隠れたりする、とても敏感な生き物です。一度釣られたエサや釣り針に対して警戒心があるのかもしれない?
 
・一度釣られた魚は、危険体験のストレスから捕食活動が低下する可能背は考えられない?
 
・再度捕食活動を行うより、目に見えないかもしれないくらい小さな傷でも、損傷箇所を癒す行動の可能性は?
 
 


最後に・・・

先ほどの検証価値に関しては、困難な事かもしれませんが、魚に対する研究余地はまだありそうでなのです。ご興味のある方は、是非実験・検証してみてはいかがでしょうか?
 
参考:魚との知恵比べ 日本水産学会
 
 

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