鰈カレイってどんな魚?漢字と名前の由来と語源辞典
カレイという魚がいますが、なぜこの名前が付いて、なんで”鰈”という漢字が付いたのでしょうか?
また、カレイという魚の名前を聞くと、煮つけや刺身や左ヒラメの右ガレイなど独特の体形を思い浮かべると思いますが、そんな魚の語源や名前の由来など、カレイにつて紹介します。
鰈 カレイの語源・由来
カレイの古い名前はカラエイといわれていて、「カラエイ→カレエイ→カレイ」となったという説。
エイという魚に似ているので、「カラ(唐・韓)+エイ」から「カレイ」や、エイより小さくて枯れているという意味から「涸れ?=カレエイ・カラエイ」という説。
体の右側が黒くて左側が白いことから「片割れ=カタワレ」といわれて、「タワが略されてカレ」になり、「魚=イオ」が合わさって「カレイオ→ カレイ」となったという説。
■鰈・カレイの特徴
稚魚のときは左右対称の普通の魚と同じ見た目ですが、成長すると独特の「片方の目が移動して片側に並んでいる」体形に変化していきます。
因みにカレイのそれぞれの面を呼ぶとき、正式には裏表ではなく、目がある方を「有眼側」目の無い方を「無眼側」と呼びます。
「左ヒラメの右カレイ」という有名な言葉がありますが、腹が手前になるように置いたとき、「頭が左を向くのがヒラメ」「頭が右を向くのがカレイ」という意味。
鰈 カレイの漢字と名称
カレイ目・カレイ科
漢字: 鰈・比目魚・扁魚
学名: Pleuronectiformes Pleuronectidae
英名: Righteye flounder
漢名: 王餘魚・王余魚
■漢字の由来
鰈という字は、カレイとして日本で作られた漢字。「魚+葉=鰈」が元となっています。
この「葉」が漢字の中に入れらてたのは、葉っぱのように薄いという意味から、薄い魚ということで鰈という字になったといわれています。
■カレイの種類
カレイをもう少し細かく分類すると、次の7種の”亜科”に分かれて、約100種類のカレイが世界中の浅瀬から深海約1000mまで生息しています。
・ムシガレイ亜科 Eopsettinae
・オヒョウ亜科 Hippoglossinae
・トウガレイ亜科 Lyopsettinae
・ベロガレイ亜科 Samarina
・パラリクトデス亜科 Paralichthodinae
・カレイ亜科 Pleuronectinae
・カワラガレイ亜科 Rhombosoleinae
■カレイに近い種類(親戚)
カレイ目の中にカレイ科がありますが、他に近い種類(親戚)となる他の科があり、カレイ科を含めると11科に分類されます。
・ぼうずがれい科
・こけびらめ科
・あきろぷせった(てなしびらめ)科
・ひらめ科
・すこふたるむす科
・だるまがれい科
・かれい科
・べろがれい科
・かわらがれい科
・うしのした科
・ささうしのした科
それでは日本で捕れるカレイ科には、どんな魚がいるのでしょうか?
鰈・カレイの産地と旬の時期
日本で獲れる代表的なカレイは、「マガレイ」「マコガレイ」「ババガレイ(ナメタガレイ)」「ホシガレイ」「メイタガレイ」「アカガレイ」「オヒョウ」「イシガレイ」などがいます。
・美味しい旬の時期:身を食べるなら初夏、子持ちは冬
・産卵期:冬(南)~春(北)
有名な場所は、大分県日出町
水揚げ漁港は、浜田漁港・島根県、松川浦漁港・福島県、香住漁港・兵庫県、八戸漁港・青森県、境漁港・島根県
※旬の時期で括るのが難しい魚です
・日本中で獲れる魚なので、九州と北海道で旬の時期が大きく異なります。
・カレイの種類によって、旬の時期が全く異なります。また、子持ちを食べる場合と産卵前を食べる場合では時期が異なります。
■城下カレイ
マコガレイが有名な大分県日出町では、「城下(しろした)カレイ」と呼ばれていて、姿づくりが人気。
この地が有名なのは、豊臣秀吉の妻ねねの甥で、日出藩藩主・木下延俊が築いた楊谷城(日出城)の城下の海岸付近で獲れるカレイが非常に美味い、というところから「城下のカレイ」といわれて、今も城下カレイと呼ばれています。
「城下かれい祭り」が毎年5月の第2土曜日に開催されます。
■笹かれい
カレイ科のヤナギムシガレイを生干しした状態の食べ物の事。見た目が笹の葉に似ているところから「笹かれい」と呼ばれています。
有名な産地は福井県小浜町。「朝廷が召し上がる珍味」として昔から献上されていて、今も皇室へ献上されているといわれています。
小浜市以外にも若狭湾一体、京都の舞鶴市や島根県の浜田市なども有名。
最後に・・・
カレイは珍味や高級魚として昔から日本では食されてきました。また、世界中にカレイの仲間が棲息していて、日本と同じように昔から食されてきた魚です。
またカレイは種類ごとに地方名や生態が異なりますが、細かい種類は省いてカレイを総称して紹介しています。