シロウリガイの共生と化石から見つかった新種の貝とは?

   


 
相模湾の数十km沖の深海約1200mにある沖ノ山堆列には、酸素の無い状態で生息するシロウリガイという化石が発見されました。それから調査が始まり、生存する貝も発見されましたが、シロウリガイとはどのような貝なのでしょうか?
 

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シロウリガイは何と共生するどんな貝?

冒頭で登場した沖ノ山堆列とは、大磯海脚・相模海丘・三浦海丘・三崎海丘・沖ノ山堆という、相模トラフに連なる隆起帯のことです。この隆起帯は、深海のプレートによって押し上げられたものと言われていて、相模湾を横断して房総半島の南端までつながっています。
 
そして「シロウリガイ」は、この隆起帯の深海約1200m付近に、コロニーを作って生息しています。ところが、この深海のコリニー付近は酸欠状態にも拘わらず、どうやって生息しているのでしょうか?
 

シロウリガイの生存環境は?

海底の湧き水で海水温がやや高く、メタンの量が通常の十倍(1桁)位多い、海水に含まれる硫化イオンと合わさって硫化水素が発生、光が届かない、酸素が無い、高水圧という環境で暮らしています。
 

シロウリガイの共生とは?

シロウリガイの「体内には特殊なバクテリア」がいて、このバクテリアが酸素を生み出しているのです。この貝とバクテリアの関係を、一種の「共生」と呼びます。
 

シロウリガイはどんな貝?

つまり、シロウリガイは「酸素を吸わない」、体内で「酸素作り出すバクテリアから酸素を取り込む」という、地上の生物にはない仕組みで、海底の酸欠状態に生息しています。
 
「二枚貝の一種」で、「マルスダレガイ目・オトヒメハマグリ科・シロウリガイ」という種類で、「殻の体長約10cm、重さ約200g」、見た目が白い瓜に似ていることから、「白瓜貝・しろうりがい」と名付けられました。
 
  

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シロウリガイの化石と新種の発見とは?

シロウリガイの化石が初めて発見されたのは、1891年のアラスカ沖の海底約580mです。日本国内では、1938年に秋田県の男鹿半島、その翌年の1939年には新潟県の東山油田付近で、この貝の化石が発見されました。
 

生存した貝はいつどこで発見されたの?

1957年、相模湾の深海約750mで、死んだシロウリガイが採取されたのを切っ掛けに、この貝を「幻の貝」と呼んで周辺の探索を始めました。
 
1984年、「しんかい2000」という海中探査船が、相模湾沖の水深約1200mを調査したところ、生存したシロウリガイが発見されました。この時、化石の貝から、生きた化石と呼ばれる特殊な生態の貝となります。
 

シロウリガイの研究開始!

その後、生物の生存が困難な深海の生物の研究が始まりました。コロニーには1平方メートル/数百匹が密集して暮らしていること、酸素の無い海底ではバクテリアと共生して生きていること、などが判明したのです。
 
 


シロウリガイ飼育はどこで行われているの?

この様な、シロウリガイを研究と飼育しているのが、神奈川県の「新江の島水族館」です。初めは短期間しか生存できませんでしたが、日々研究を重ね、現在では少しずつ生存期間が延びています。
 

どれくらいの期間の飼育しているの?

シロウリガイを引き上げると2、3日しか生きる事が出来ません。生存環境が異なるからということは簡単に予想ができます。そんな中、新江の島水族館は、深海の環境を再現する努力を重ね、2007年には海洋研究開発機構の採取してきた貝を70日以上飼育させることに成功しました。2014年には173日の長期間飼育に成功、現在もその研究と長期飼育に挑戦中です。
 
新江の島水族館の飼育日記に興味のある方は「えのすいトリーター日記」をご参照ください。
  
 


最後に・・・

シロウリガイの発見と種類をまとめると次のようになります。

学名・・・Calyptogena soyoae 
 
英名・・・deep-sea cold-seep clam
 
種類・・・マルスダレガイ目・オトヒメハマグリ科・シロウリガイの二枚貝
 
※soyoae・・・蒼鷹丸のという意味
日本におけるシロウリガイの略歴は次の通りとなります。
1955年・・・水深750m地点から死殻が発見される
 
1957年・・・奥谷喬司が新種として発表

1984年・・・相模湾初島沖の水深1000-1130mの地点で、生きている個体の発見
 
現在・・・相模湾の水深800-1200mの現在活動中の断層に沿って分布

 
それでは、シロウリガイの飼育記録の更新と、更に新発見があると良いですね。
 
 

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 - 四方山話

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