タイラギ玉珧という高級な2枚貝の漢字と名前の由来と語源辞典

   

 
 
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タイラギ玉珧という貝は、大きくて白い貝柱が特徴で、料亭では1個5000円以上するといわれた高級食材です。そんな日本の家庭では食べる機会が少ない食材の一つ、江戸時代前から食べてきたのはどんな貝なのか、また語源や産地などタイラギについて紹介します。
 
 

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タイラギ玉珧とはどんな貝?名称の語源について

■タイラギ玉珧とは?

イガイ目ハボウキガイ科の二枚貝の一種がタイラギとなります。房総半島から南、インドや西太平洋の温帯・熱帯海域に棲息しています。
日本では特に、東京湾、伊勢湾、三河湾、瀬戸内海、有明海が主な棲息地でした。(東京湾は水質汚染により絶滅下といわれています)
 
外見の特徴は、先が尖った長三角形をしていて薄い殻、色は褐色か青褐色をしています。殻の長さは大きく成長するもので30cm以上あるものもいます。また、大小の二つの貝柱があるのも特徴です。
浅瀬から水深20mくらいまでの砂泥地に棲息しています。
 
 

■語源

・貝柱が「玉(タマ)のように円くて白い」ところから「玉・タマラギ→ タイラギ」と呼ばれています。
 
・「平らな貝→ 平貝」の読み方が変化して、「タイラガイ→ タイラギ」となった。
 
 


タイラギ玉珧の漢字と名称

二枚貝綱・イガイ目・ハボウキガイ科・クロタイラギ属、(タイラギ)
 
漢字: 玉珧の一文字
学名: Atrina pectinata
英名: Japanese Pen Shell
漢名: 江珧、帯子、割猪刀、殺猪刀など地方名多数
別名: タカラガイ、ヒロウガイ、タチガイ、エボシガイ
 
 

■タイラギと歴史について

タイラギという貝が登場する書物は、
「本草網目・1578年」には、「身は固くて食べられない~(略)、玉か雪のように白い四つの肉柱は鶏汁でゆがいて食べる」
「大和本草・1709年」には、「タイラギは只肉牙一柱耳」と記されています。
「浮予草子・1682年~1762年頃」には、「タイラギのあへ物。くずなの蒲鉾、美食も朝夕の費」とあります。
 
この様にこの当時の文献にはなどと特徴が記載されているため、遅くても江戸時代には既に家庭の食卓に並ぶ、定番の食材だったことが伺えます。
 
江戸時代には「ワタ和え」といって、ワタを湯がいてから切って、ショウガ、みそ、山椒味噌、炒めたタイラギを和えていたとも記されています。
  
 

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タイラギ玉珧の産地と旬の時期

 
・美味しい旬の時期:4月、漁期は12月~3月に潜って獲ります。
・産卵期:7月~8月
・有名な産地:九州・有明海、三河湾、播磨灘、備讃瀬戸、伊予灘
 
以前は東京湾でも採れましたが、近年では絶滅したといわれています。また、九州・諫早湾(いさはやわん)沿岸でも、名産だったタイラギの減少で休業となっています。
 
因みに中国では、「紅瑶(ヨウ・たま)柱」という名前で乾燥させたものが流通している他、蒸し料理、炒め料理などで重宝されています。
 
一時期は1個市場価格で1500円、料亭価格で1個5000円~7000円といわれてきました。「ホタテよりも甘味が深い」「瀬戸内海では幻の貝」といわれて、15000円/約1kgで販売しているところもあります。
 
 


最後に・・・

他の貝同様、生の殻付きで販売されていたり、干貝、や刺身、寿司ネタ、焼き物、炒め物など幅広料理方法で、日本だけでなく中国や韓国でも重宝されてきました。
 
残念ながら、日本で広く獲れていた貝でしたが、水質汚染、干拓事業、水温上昇など様々な要因から、水揚げ量が激減しています。
 
最期にタイラギの名称についてですが、「タイラギ = 平貝→ 玉珧」なので、「タイラギ貝」という呼び名、書き方は間違えなんです。これだと「ホタテガイ貝」とか「ミルガイ貝」「ムールガイ貝」のように貝が重複してしまうからなnです。
  

参考:「原色魚類大図鑑・北隆館」「魚と貝の辞典・柏書房」
 
 

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 - 魚の語源辞典

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