タナゴという絶滅危惧種の魚の漢字と名前の由来と語源辞典

   

  
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タナゴという小さな魚は釣り人には馴染みの魚ですが、食用では販売されていないので、世間一般では無名の魚でしょう。
でも江戸時代のタナゴ釣りは、贅沢の極みといわれる人気のあったタナゴの生態や、語源、名前の由来などを紹介します。
 

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タナゴの語源・由来

■タナゴとは

コイ目コイ科のタナゴ属で、体長が5~10cmの小さな淡水魚で、3属16種類が日本の固有種(日本にだけ生息する魚)、2種類が中国などからの外来種が生息しています。
 
日本ではタナゴ属の総称として呼んでいますが、同時に「マタナゴ=タナゴ」と呼んでいて、本州の関西地方から北の太平洋側、南は関東付近~北は青森県鷹架沼付近の間だけに生息している魚です。
 
生息環境は、下流域の流れが穏やかな場所、水草が茂っている場所などに住み着いて、水中の昆虫、甲殻類、水草や藻などを食べる雑食の魚になります。
 
護岸や河川工事、外来種の影響、観賞魚としての乱獲などの影響で、個体数が著しく減少したため、絶滅危惧種(レッドデータブック)に指定されています。
 

■タナゴの語源

・水田にいるから、田から産まれると考えらて、田んぼの子供で「田児・タナゴ」という説
 
・平たい魚という意味の「タヒラコ」が語源で、「タヒラコ→ タナゴ」という説
 
・魚+節という字のタナゴは、薄くて櫛のような外見から「櫛(くし)が化けた魚」で「魚+節→ タナゴ」という説
 
海にも別な種類の魚に「タナゴ」がいます。
・ウミタナゴ科のウミタナゴは「タイラナゴ・平魚子→ タナゴ」という説
 
・タイより小さい魚というところから、「タイノコ(鯛の子)→ タナゴ」になったという説
 
 


タナゴの漢字と名称

コイ目・コイ科・コイ亜科・タナゴ属、(タナゴ)
 
漢字: 鰱・鱮
学名: Acheilognathus melanogaster
英名: Capoeta rhombea
別名: タヒラ、タヒラコ、エタラシ、シャレブナ、センバラ、ムシブナ、カメンタイ
 

■昔のタナゴ

「和漢三才会」では、池を掘って雨水が溜めて、春や夏の陽気になると自然に発生する。
また「味は良くない、鮒にまぜて販売し、あるいはしおづけにして食べる」と記載されています。
 
・江戸時代は米に沸く虫を餌にして、釣り道具は「趣向品の最高級品」として、職人が作る贅沢の象徴でもあります。
 
・江戸の深川木場はタナゴ釣りの名所で、「”金屏風”を立てた屋形船から、”象牙”の竿、女性の”毛頭髪”、”黄金”の針で釣って三杯酢で食べるのが風流」だったと伝わっています。
 
・「嬉遊笑覧」(1830年)という江戸時代後半に書かれた風俗習慣記には、「木場川で戯れに短い竿と毛髪の糸で釣ったというスタイルが翌年から大流行した」と記されています。また、竿づくり名人の竿利がタナゴ用の竿を広めたのもこの時期と一致しています。
 

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タナゴの産地と旬の時期

タナゴは絶滅危惧種に指定されているため、昔の用に誰でも獲って食べられる、というわけではありません。それでも以前から伝わっている「旬の時期」「料理方法」などを紹介します。
 
・美味しい旬の時期:11月~3月
・産卵期:3月~6月
・有名な産地:東京の深川(でした)、秋田県八郎潟、滋賀県琵琶湖付近
 
※産卵はカラスガイやタガイなどイシガイ科の鰓葉内(サイヨウ)に産卵します。鰓葉内(サイヨウ)とは、魚なら鰓(エラ)のことで、貝類なら出水管の奥に位置する呼吸器官の一つ。(タナゴの減少の理由の一つに、この産卵する為の貝類の減少が関わっています。)
 

■タナゴの生存状態と地域

・岩手県は「絶滅危惧」の手前の状態
・絶滅した地域は「神奈川県、埼玉県」
・絶滅危惧指定されている地域は「茨城県 福島県 宮城県、東京都 千葉県 群馬県 栃木県 青森県」
 

■食材として

・佃煮や甘露煮にして食されてきました。
 
・フナの代用として”雀焼き”にして食されてきました。
 雀焼きとは、背開きにして串に刺して、タレにつけて焼いた焼き方のこと。
 
 


最後に・・・

ウミタナゴという魚が海にいますが、海のタナゴを分類すると「スズキ目ベラ亜目ウミタナゴ科」で、淡水魚のコイ科のタナゴとは全くの別種類となります。
 
海のタナゴは更にマタナゴとアカタナゴに分かれていて、見た目が平らだから名付けらました。淡水のマタナゴと同じ名前でも、海のマタナゴとは別の魚です。
 
またカネヒラやオオタナゴなどはよく釣られていて、特に国産のカネヒラは個体数は減少していても、絶滅危惧種に指定されていない種類もいます。
 
 
参考:「原色魚類大図鑑・北隆館」「魚と貝の辞典・柏書房」
 
 

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