トコブシ常節というアワビに似た巻貝の漢字と名前の由来と語源辞典

   

 
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トコブシという貝は、日本では北海道南部から九州付近の温かい海流が通る、外洋に面した岩礁地帯に生息する巻貝の一種。
昔は外見が小さなアワビに似ているので、アワビの稚貝と思われていましたという、そんなトコブシについて紹介します。
 
 

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トコブシ常節とはどんな貝?名前の語源

■トコブシ常節とは?

ミミガイ科トコブシ属の一種で、アワビとは同じ科の巻貝で日本の固有種となります。外洋に面した沿岸部の水深約10mくらいにいるので、海女が潜って取ることが多い貝になります。
 
殻の長さ7~8cm、幅約5cm、高さ1~2cmの楕円形をしているところからアワビのような外見をしているといわれています。
 

■名前の語源

・海の底の岩に臥したように張り付いているというその姿から、
 「底に臥している→ ソコ・フシ→ トコブシ」という説
 
・海の「床・トコ」(海の底で寝起きする場所、底から一段高くなっている場所を指す)に「臥している」(暮らしている、横になっている)という意味が合わさって「トコ+フシ→ トコブシ」という説
 
 


トコブシ常節の漢字と歴史

ミミガイ科・トコブシ属 (種・フクトコブシ、亜種トコブシ)
 
漢字: 常節・床伏
学名: Sulculus diversicolor supertexta
英名: small abalone
別名: ナガレコ、ナガラメ、アナゴ、アナゴウ
 

■トコブシ常節の日本での歴史

・「本朝書鑑(ほんちょうつがん)」という1670年に完成した、全310巻で構成された歴史書には、「冬古不志は、鰒(あわび)の子であって、長じると大鰒になるとも、あるいは鰒の子でなく別の一種であるともいわれる」と記されています。
 
しかい、江戸時代後半に書かれた「魚鑑」には、「鰒の子あらず」と記載されているので、既に違う生き物として分類されていました。
 
※冬古不志と書いてトコブシと読まれていました。
 
・昔は「九穴貝」と呼んで、アワビに7~9個の穴があるものは永遠の命が得られると言われていましたが残念ながらアワビの穴は4~5個しかありません。ところが、トコブシは6~9個穴があるので重宝されていました。
 

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トコブシ常節の産地と旬の時期

温かくなる春頃から夏が旬といわれていますが、海女が潜って取る場所では春になる前に獲るものです。だから旬の時期に潜っても、良いサイズは見つけづらいといわれています。
 
・美味しい旬の時期:春~夏
・産卵期:8月~10月、早い場所では6月下旬というところもあります。
・有名な産地:三重県・志摩半島周辺、高知県・室戸岬周辺
 

■食材としてのトコブシについて

・良いものを選ぶときは、身をつついて動くトコブシは新鮮だといわれています。
 
・身がべたついていなくて、見た目が盛り上がっているものが良いとされます。
 
・アワビ程味が良くないので、刺身には向いていません。
 「出汁+醤油」や「砂糖+料理酒+醤油」で煮る。または新鮮なものを貝ごと焼いて食べると良いといわれています。
 
 


最後に・・・

トコブシは、卵と精子を水中に放つ体外受精をします。秋の台風や時化が刺激となって稚貝が生まれて、広範囲に分散されるといわれています。
近い種類のアワビも同じように台風や時化が繁殖に大きく影響していることが判明しています。
 
 
参考:「原色魚類大図鑑・北隆館」「魚と貝の辞典・柏書房」
 
 

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 - 魚の語源辞典

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