ナマズ鯰という鱗のない魚 漢字と名前の由来と語源辞典

   

 
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ナマズ・鯰という魚は、江戸時代より昔から地震を起こすといわれ、近代に入ってからは自信を予知するともいわれる魚です。
そんな昔から食べられてきたナマズですが、どんな経緯でナマズという名前になって、なぜ鯰という字になったのかなどを紹介します。
 
 

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ナマズ鯰はどんな魚?ナマズの語源

■ナマズ鯰はどんな魚?

ナマズ科という淡水魚の一種で、北海道南部から九州地方、朝鮮半島、台湾、中国、ベトナムなど東アジア全域に分布しています。
川の中流から下流、湖沼地帯、水田や用水路などの砂泥になっている水底や、水草の影、岩陰を好んで生息しています。
 
日没後から活動する夜行型で、小魚や甲殻類を捕食、毎年10~15cm成長して約4年で成魚となり、成魚の体長は平均約60cm、頭は丸い扁平形、大きな口と体の割に頭が大きくて、鱗(うろこ)がなく、髭は成魚で4本、幼魚は6本あるのが特徴。因みに髭は、感覚器官として外からの情報を得ています。
 
 

■ナマズの語源

・「滑らか = ナマ」と「ツ・ス・ズ = 魚を現す語尾」
 これらの言葉が合わさって「滑らかな魚→ ナマズ」という説
 
・「ナメハダウオ滑肌魚」という言葉が変化して「ナメハダウオ→ ナマズ」
 
・「ナメリデ・滑手→ ナマズ」という説
 
・「水清ければ魚棲まず(ミズキヨレバ ウオスマズ)」、水が綺麗だと逆に魚が住み着かないという意味が変化して「ナマズ」という説
 
・沼に棲んでいるから「ヌマスミ(沼すみ)→ ヌマズ→ ナマズ」という説
 
・鱗(うろこ)が無くて「滑(ナメ)らか」「ねばる」「なまる」から「ナマズ」という説
 
 
 


ナマズ鯰の漢字と名称

ナマズ目・ナマズ科・ナマズ属、(ナマズの総称)
 
漢字: 鯰・滑頭 
学名: Silurus asotus
英名: Amur catfish、Common catfish
漢名: 鮎
別名: マナマズ・カワッコ・ショウゲンポ・サシン・アカナマズ・ナマズノヘッタゴ・ヤッコナマズ・ナマンズ
 
※ほかのナマズの漢字に「鯰公・鮎鯰・慈魚・水底羊」という紹介もあります。
 
※「鯰」という漢字は日本で作られた国字。日本にはすでに「鮎」と書いて「アユ」という字があったため新しく「鯰」になりました。
 
※中国では「鮎 = ナマズ」
 
※学名の”asotus”とは「美食家・道楽者」という意味
生物・植物などの学名は、基本的にはラテン語表記が世界の基準となっています。
 
 

■ナマズの種類・ナマズ目

アメリカナマズ科
ギギ科
ナマズ科
→ クリプトプテルス属
→ ナマズ属
→ パラシルルス属
 
スキルベ科
バンガシウス科
アカギ科
シソール科
ヒレナマズ科
チャカ科
デンキナマズ科
ハマギギ科
ゴンズイ科
サカサナマズ科
ドラス科
ピメロドウス科
アスプレド科
トリコミクチルス科
カリクティス科
ロリカリア科
  

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ナマズ鯰の産地と旬の時期

・美味しい旬の時期:梅雨時期とその前後1か月くらい
・産卵期:5月~6月頃
・有名な産地:埼玉県吉川市、青森県三戸郡、琵琶湖周辺、岐阜県、
 

■地震とナマズ

・1592年、豊臣秀吉が伏見に城を築いたとき、京都所司代に書簡をあてて、「なまつ大事」に注意せよと書いたといわれています。
 
・1855年安政の大地震以降、ナマズの絵が瓦版に多数登場するようになります。
 
 

■ナマズにまつわる話

・「今昔物語」という、1120年以降に書かれた説話集にナマズの話が登場します。

「出雲市上津にある出雲寺の住職の夢枕に亡き父が現れて、生前行ってきた悪行から大ナマズになるという報いを受けた告げられます。出雲寺の屋根裏の水たまりに他の小魚と一緒にいるので、近くの桂川に流してほしいと頼まれました。
そして、明後日に嵐が来て寺が倒れると告げられると、本当に嵐が到来して、小魚たちが外に投げ出されましたが、住職はこのナマズを食べでしまい、ナマズの大骨がのどに刺さって亡くなってしまいました。」
 
・1728年、徳川吉宗将軍のとき、江戸付近で洪水がありました。この洪水で手賀沼から隅田川へ、井の頭の池から神田川にナマズが流れ出したのが切っ掛けで、江戸に広くナマズが生息するようになって、ナマズ料理も広まったといわれています。
 
・浮世絵の「鯰絵」が安政の大地震後多く出回り、地底にいるナマズが地震を起こすという噂が流行しました。地震によって世の中を作り直すという意味が込められ、世直しとして描かれていたとも伝えられています。
 
・ナマズと地震を結びつけたのは、江戸時代の鹿島神宮で、この神宮奥宮の200m先に地面深くに埋まっている”要石”が地下のナマズを抑えていると吹聴して、「鹿島の事触れ」といって地震の予言やお祓いをして回ったと伝えられています。
 
・疾病にはナマズを食べると治ると「大和本草」に登場します。
 
・「魚鑑」にはナマズを食べると、利尿作用が働き、”むくみ”がとれると伝えられています。
 
・「鯰に瓢箪」とは、捕まえにくいこと、とらえどころがないこと、要領を得ないことの例えとして使われています。
 
 


最後に・・・

ナマズ・鯰は他の国産の魚と同じように、数が激減しています。昔は田んぼがどこにでもあり、河川や湖沼があったため沢山獲る事が出来ました。
そしてナマズの稚魚は、共食いが激しいので養殖が難しいとされてきました。近年その共食いを抑制する方法を見つけ、今では放流することで個体数を増やして安定した漁獲数になっています。
 
 
参考:「原色魚類大図鑑・北隆館」「魚と貝の辞典・柏書房」「魚の名前・東京書籍」
 
 

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