ハタハタ鰰は雷の日に獲れる魚 漢字と名前の由来と語源辞典

   

 
79 ハタハタ
 
 
ハタハタ・鰰という魚には様々な話や名前のついた説が伝わっています。どの話にも共通しているのは雷にまつわることで、魚編に神や雷といった有り難そうな怖そうな文字が充てられています。そんなハタハタの名前の語源や漢字の由来などについて紹介します。
 

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ハタハタ・鰰という魚・名前の語源について

■ハタハタ・鰰とはどんな魚?

ハタハタ科の一種で、宮城県から北の太平洋、日本海、オホーツク海からアラスカ周辺まで生息している。
 
体長約20cmくらいで、水深100m~400mの砂泥底に生息しています。産卵期になると浅瀬の藻がある場所に移動してくる。
 
時化のときに漁獲が増える魚で、底曳網などで大量にとっていたところ、数十年で最盛期の1/10まで漁獲量が激減。日本海地域では放流や禁漁を行ったため、現在では少しずつ増え始めている。
 
 

■ハタハタ・鰰の語源

雷の事を“ハタタカミ”、雷鳴の事を“ハタタク”と呼び、
 
・「ハタタカミ、ハタタク」から「ハタハタ」になったという説
 
・雷鳴のときに獲れる魚だから「ハタハタ」という説
 
・雷鳴のハタタクが、物を叩くのに似ているから「ハタハタ」という説
 
・雷神の古い名前を「はたたかみ」といいます。「はたたかみが遣わした有り難い魚」として「ハタハタ」と名付けられたという説
 
また、冬に雷があるときに浮かんでくるといわれたので、別名「カミナリウオ・雷魚」とも呼ばれることで有名。
 

■ブリコの語源

ハタハタの卵を「ブリコ」といいます。名前の由来は、
・水戸藩主が秋田へ国替えしたとき、正月にはブリを食べる習わしがありましたが手に入らないため、ハタハタを代用しました。そして「ブリの代用の魚の卵だからブリコ」と呼ばれたといわれています。
「ブリの代用の魚がハタハタ→ ブリの卵→ ブリコ」
 
・この卵をかんむと歯ごたえがあって、口の中で「ブリブリッ」と音がするという説
 
 


ハタハタ・鰰の漢字と由来

スズキ目・ハタハタ科・ハタハタ属、ハタハタ
 
漢字: 鰰・鱩・雷魚・神鳴魚
学名: Arctoscopus japonicus
英名: Sailfin sandfish・Japanese sandfish
漢名: 燭魚
別名: カミナリウオ・ハダハダ・シマアジ・オキアジ・カハタ・シロハタ・サタケウオ
 

■漢字の由来

・名前の由来になっている雷(かみなり)とは、「神鳴(かみなる)」と考えられていました。そこから「魚+神= 鰰」の文字が着けられたという説
 
・鱗(うろこ)の中に富士山の模様があるので、めでたい魚と祝したところから「魚+ 神= 鰰」となったという説
 
・沖合で雷が鳴ると獲れる魚だから「魚+雷= 鱩」という説
 
・時化=波の多い日に獲れる魚だから「波多波多→ ハタハタ」という説
 

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ハタハタ・鰰の産地と旬の時期

・美味しい旬の時期、11月~2月
・産卵期:旬の時期と同じ、子持ちが珍重
・有名な産地:秋田県各地の漁港、石川県~鳥取県辺りまでの日本海側
 

■郷土料理

秋田県の名産「しょっつる鍋」は、魚醤をしょっつるといいます。語源は「塩汁→ しおしる→ しょっつる」となります。このしょっつるとハタハタを使った鍋を「しょっつる鍋」といいます。
 
鳥取県の名産「シロハタ寿司」は、ハタハタを塩漬け・塩抜きしてから、おからと塩・酢・砂糖を混ぜて漬け込んだ伝統料理。
 
その他「なれずし」という、現在の寿司の元となる塩と魚と米を発行させた寿司にもハタハタが用いられます。
 
 

■ハタハタの歴史の話

・別名サタケウオ
秋田県付近では「サタケウオ」という呼び名が伝わっています。藩主・佐竹氏が常陸国(ひたちのくに・後の水戸藩)から、久保田藩(秋田)へ国替えしたとき、常陸にいた魚も一緒に移ってきたといわれたため「サタケウオ」と呼ばれました。
 
・「大和本草」では、「奥州に多し白して長七八寸頭廣く尾小なり」と記されています。
 
※「大和本草」とは、1709年に発行された日本で作られた、明治時代に西洋書が入ってくるまで国内最高の生物辞書。
 
 


最後に・・・

ハタハタは秋田と日本海地方の魚で、古くから冬の雷の日・時化の日に獲れる魚として重宝してきました。
 
そして鱗と小骨がないところから丸ごと焼いて食べたり、干し魚、なれずし、鍋など、冬を代表する食材です。
 
 
参考:「原色魚類大図鑑・北隆館」「魚と貝の辞典・柏書房」
  
 

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 - 魚の語源辞典

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