ヒイラギ・鮗という棘のある魚の漢字と名前の由来と語源辞典
出典:「wikipedia」
ヒイラギというと、一般的には節分のときに飾る植物を思い浮かべると思いますが、魚にも同じ名前でヒイラギという種類がいます。
スズキ目の一種で、ヒイラギ科という種類の魚になりますが、この魚の名前の語源や由来、分類などについて紹介します。
ヒイラギの語源・由来
■ヒイラギとはどんな魚?
ヒイラギ科の海水魚の一種で沖縄付近以外の日本全国と朝鮮半島、中国、台湾などの沿岸に分布。
浅瀬や河口の汽水域の砂泥底に生息していて、体長約10~15cm、体高が高くて扁平している銀白色の魚。特徴は棘のような鰭(ヒレ)が背中と後頭部にある。
■ヒイラギ柊の語源
・ヒイラギの葉のような棘がひれにあるところからついたという説
・背中の棘がささると痛いため、ヒリヒリ痛むの古い言葉で「ヒヒラク→ ヒイラギ」という説
ヒイラギの漢字と名称
スズキ目ヒイラギ科ヒイラギ属 (8種類のヒイラギの総称とヒイラギという魚)
漢字: 鮗
学名: Nuchequula nuchalis
英名: Spotnape Ponyfish
別名: ギラ・ネコゴロシ・ネコマタギ・イタダイ・ギュウギュウ・シノハ・イノハ・ギンギン・オニヘイラゴ・イシノフタ
※ヒイラギという魚の漢字は、植物のヒイラギが語源なので、「柊」の木編が魚編になって「魚+冬=」となりました。
■ヒイラギ科
→ ヒイラギ属 8種
→ ウケグチヒイラギ属 1種
■ヒイラギの歴史の話
「和漢三才図会」の紹介では、「色は青白、頸一つの棘がある。8月9月に出てくる。摂州、泉州に多くいる。大きさは一、二寸。塩にしたり粕漬けにする。ともにかぐわしく味は甘美である」と記されています。
植物のヒイラギは棘がついていることから魔除けとして重宝されてきました。一方魚のヒイラギは、この棘が邪魔だと嫌がられています。
ヒイラギの産地と旬の時期
・旬の時期:月~月
・産卵期:5月~7月
・有名な産地:高知県
※ヒイラギの稚魚の孵化は珍しくて、産卵後約30時間すると孵化します。
■現在のヒイラギについて
・「骨が固い」「身が固い」「身が薄くて少ない」という理由から、食用とは扱われることが少ないが、味は良くて、塩焼きや酢漬けにして食べることが多い。
・高知ではニロギ汁、島根ではエノハの吸い物など郷土料理があります。オキヒイラギというヒイラギの一種は、ヒイラギより身が柔らかく干し物として需要がある。
・一部の地域では、釣りで人気の魚。特に高知付近の地域では昔からヒイラギ釣りが盛んに行われてきました。ボラやキスに交じって釣れることが多いといわれています。
最後に・・・
植物のヒイラギが名前の語源になっているだけに、魚のヒイラギも左の編が「木→ 魚」に変わっただけです。
釣りに行ってこの魚がかかったら、棘にお気を付けください。
参考:「原色魚類大図鑑・北隆館」「魚と貝の辞典・柏書房」