ボラ・鰡はボラ科の出世魚!漢字と名前の由来と語源辞典

   

 
106 ボラ・鰡はボラ科の出世魚Top
 
ボラ・鰡は日本中に生息する一般的な魚で、成長しながら名前が変わる出世魚の一種です。臭い魚と思われがちですが、生息地の水質によって全く違った匂いとなる、良質な味の魚。そんなボラという魚の生態や名前の由来や語源などについて紹介します。
 
 

スポンサードリンク

 

スポンサードリンク

ボラ・鰡とはどんな魚?名前の語源と由来

■ボラ・鰡とはどんな魚?

ボラ目にはボラ科だけで約10種類程度しか分類されていない。北海道から南の本格地、世界各地の温帯・熱帯地方(アフリカの西側とモロッコ沿岸付近を除く)の沿岸・河口・淡水まで広く生息している。
外見の特徴は、体長約80cmに成長、丸みのある細長い体で平らな頭をしていて、色は背中が青黒く、腹は銀白色。
 
ほぼ日本中でとることができて、水底の藻や微生物などを泥ごと食べる雑食性で、鮎のような食み跡を残し、水面から跳ね上がる習性があり、
川をさかのぼり、また海に降りる生活を3~4年繰り返しなが成長していくが、ボラは出世魚なので成長とともに名前が変化する。
 
 

■ボラ・鰡の語源

・腹が太い古い言葉の、「腹太・ほほら・ほばら、合腹・ほほばら→ ボラ」と変化したという説
 
・頭を泥に突っ込んで捕食する姿から「掘る・ホル→ ボラ」に変化したという説
 
・魚影が角笛に似ているといわれた。そして胡語で角笛を「ハラ」というところから「ハラ→ ボラ」に変化したという説
 
 


ボラ・鰡の漢字と名称

ボラ目・ボラ科・ボラ属、(ボラという魚とボラ科の総称)
 
漢字: 鰡、鯔、鮱
学名: Mugil cephalus
英名: Flathead mullet、Gray mullet 
別名: マボラ・シュクチ・シバ・バイ・ケラナゴ・ギンコ・ギンバク・グイナ・マクチ・スクナ
 
・鰡と鯔をいうふたつの漢字がある。もともとは鯔という漢字が中国で使われていたが、日本に来た際書き誤って鰡となったのが始まりである。現在は中国でも、この鰡という字が認められて「鰡・鯔」が使われている。
 
・鯔という字の語源は、「魚編を取った鯔 ?」と書いてクロと読むところから、「魚+黒い→ 鯔」といわれている。
 

■ボラの種類

ボラ目ボラ科
→ フウライボウ属
→ メナダ属
→ オニボラ属
→ ボラ属
→ ワニグチボラ属
→ タイワンメナダ属
 

■ボラの名前の出世

関東:オボコ→ イナッコ→ スバシリ→ イナ→ ボラ→ トド
関西:ハク→ オボコ→ スバシリ→ イナ→ ボラ→ トド
東北:コツブラ→ ツボ→ ミョウゲチ→ ボラ
 

■ボラが歴史に出てくる話

・江戸では名前が変わる成長魚なので、七五三や正月の祝いで用いられた。しかしイナ(否)とは縁起が悪いので、反対の言葉でナヨシ(名吉)と書いてよんだ。
 
・成長しきったボラのことをトドという。ここから終わりを意味する「トドのつまり」という言葉が生まれた。
 
・江戸では日本橋の魚河岸が考え出した髪型で、「ボラの背のようにペタッと平らにさせたような」「ボラ(鯔)のセ(背)のような“鯔背まげ(イナセマゲ)“」が流行した。ここから”イナセな若者”という言葉が使われるようになった。
 
・「カラスミ」という料理はギリシャやトルコで考案されて、中国を約400年前に日本に伝わってきたといわれている。このカラスミの名前の由来は、長崎の代官が、豊臣秀吉に献上した際、名前がわからなくて困ってしまい、中国の黒石に似ているところから「唐の墨→ カラスミ」と答えたところから日本に「カラスミ」として広まったといわれている。
 

スポンサードリンク

 


ボラ・鰡の産地と旬の時期

・旬の時期:秋~冬
・産卵期:10月~1月、この時期は外海にでて回遊する。
・有名な産地:長崎
 

■現在のボラについて

・ボラはウナギ同様、河川と南の深海を行き来しているが、産卵場所は未だ研究中である。
 
・有名な食べ物で、ボラのメスの卵巣に塩をして干したのが「カラスミ」。
 
・旬の時期は”秋~冬”と言われているが、特に真冬の「寒ボラ」は脂がのっていて、独特の臭みもないので絶品と言われている。
 
・ウニ、コノワタ、カラスミは天下の三珍と呼ばれていた。強壮、不老長寿の効能があるといわれてきた。
 
・関東では、タイに代わる祝い事で重宝されてきた魚。また出世するというところから縁起が良いといわれてきた。
 
・三重県にある宇気比神社では、正月1月11日に昔から伝わる「盤の魚」という弓を射る神事があります。このとき浜島浦周辺でとれたボラを手を触れずに包丁と真箸だけで調理して、豊作を祈ってお供えします。
 
・能登地方には「ボラまちやぐら」という、江戸時代から伝わる伝統漁法があります。1996年以降この漁は行われておらず、観光用に”やぐら”残されているだけである。
 
 


最後に・・・

ボラは水質の変化に対して強い耐性があるため、多少汚染された水でも平気で生息することができる。そのため、どうしても沿岸部のボラは匂いがきつくなってしまう。しかし匂いの元の大半は、ボラの”血液”によるものなので、活しめにして血抜きをする。
 
しかし、水のきれいな外洋の海でとれたボラは匂いが少ない。揚げ物の他に、刺身や洗いなどにしても食べられている。
 
 
参考:「原色魚類大図鑑・北隆館」「魚と貝の辞典・柏書房」「たべもの語源辞典 東京堂出版」「大漢辞林・大修館書店」
 
 
 

スポンサードリンク
スポンサードリンク

 - 魚の語源辞典

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。