アユ・鮎はキュウリウオ科の魚 漢字と名前の由来と語源辞典

   

 
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アユ・鮎というと日本を代表する高級な川魚の一種。綺麗な見た目は美しい女性に例えられて、見た目と味の良さから神様に捧げる魚として重宝されてきました。
そんな鮎の名前の由来や漢字の語源、また鮎の生態や鮎に関わる歴史などについて紹介します。
 


 
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アユ・鮎の生態と名前の語源と由来

■アユ・鮎とはどんな魚

アユ・鮎とは、*両側性回遊魚という、少し珍しい生態をしている。北海道南部から日本各地の河川、朝鮮半島と中国の河川に分布しています。日本国内に生息するアユには更に2種類、大きく成長する降海型と小ぶりの琵琶湖産に分枯れています。
 
体長は約20~30cmで、背中は光沢のある薄い緑褐色で腹は白く、背びれの後ろにもう一つ小さな”脂びれ”というものがあるのが特徴。
秋に生まれたら海へ降りて越冬、春になるまで動物性プランクトンなどを食べながら5~7m程に成長して川を遡上、川の中の藻を食べるようになります。
 
河川に遡上すると、餌場の確保のために縄張りを持つようになります。そして夏までに大きく成長して、サケのように通常は秋に産卵すると一生を終えてしまうという、1年しか寿命がない魚です。
 
*両側性回遊魚とは・・・海と河川、つまり海水と淡水両方で生息する魚
因みに、アユ科にはアユ1種類のみが分類されている。
 
 

■アユ・鮎の名前の語源

・古語のアユルという「落ちる→ 川を降りる」からアユに変化したという説
 「日本釈名」という1700年刊行の昔の語源辞典の説
 
・アとは小さいという意味、ユとは白いという意味で合わせて「アユ」という説
 「東雅(とうが)」という1717年に刊行された語源研究書の説
 
・「アユは神前に賛として供え、占いに用いた。それで饗(アヘ)と呼んでいたのが変化した」と紹介されています。
 「日本古語大全集」の「アヘ→ アエ→ アイ→ アユ」という説
 
・愛らしく味佳き魚→ アユという説
 
 


アユ・鮎の名称と歴史

キュウリウオ目・キュウリウオ科・アユ属、(アユの固有名詞)
 
漢字: 鮎、香魚、年魚
学名: Plecoglossus altivelis
英名: Ayu
漢名: 香魚・秋生魚・海胎魚
別名: アイノヨ・アイノイオ・カツラソウ・アア・アイオ
 

■アユの漢字の由来

・中国語で「鮎」という字は「ナマズ」のこと。
 
・「鮎」という漢字は、縄張りを独占するところから「魚+ 占= 鮎」になったといわれている。
「和名抄」=和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)の略で、930年代に刊行された辞書に登場。
 
・「香魚」と書くのは、藻を食べて独特の香りがする魚だからと言われている。
 
・「年魚」と書いてアユと読むのは、春に生まれて、その年の冬には死んでしまうところから名づけられた。この「年魚」とは、「日本書紀」に紹介されている。また、「和名抄」にも「春に生まれて(略)冬死す。故に年魚と名づく」とある。
 

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アユ・鮎の産地と旬の時期

・旬の時期: 6月~8月と9月~10月
旬の時期は2回「一番美味しいといわれる初夏」「落ち鮎と言われる秋」
また、地域によって禁漁期間が異なりますが、秋~初夏頃までは禁漁となります。
 
・産卵期: 8月~11月
秋になると河川の中流~下流の海水が混じらない砂利底に産卵。数日で孵化(ふか)した稚魚は、海に降りて浅い沿岸部で冬を越します。
産卵には水温が重要、「15℃~18℃」になる頃が最盛期。10日~2週間で孵化する。
 
・有名な産地:
綺麗な水で、川と海を行き来できる環境であれば、ほぼ日本中の川でとることができます。
四国の主要河川、木曽三川、琵琶湖周辺は特に有名。
 

■アユの利用について

・アユとりの神事として伊勢神宮では5月3日に「鮎川祭り」が行われている。また、鮎を使った占いの神事が伊勢神宮の別宮、三重県の滝原宮で「御賛祭り」で行われる。
 
・土用入りして20日間くらいの味が最上といわれていた。
 
・鮎の塩辛
身を塩辛にした「うるか」、内臓と身の塩辛「切込うるか」、卵だけの「子うるか」、内臓だけの塩辛「苦うるか」
 
・アユ料理
あいざつま・・・愛媛県周辺の「干しアユ+ 味噌の汁」
さつま・・・白身魚と味噌をすり合わせたもの
あゆべか・・・鳥取県周辺の「干しアユ+ 野菜+ 豆腐」の平鍋で作る鍋
ねまりずし・・・熊本県周辺の「塩漬けしたアユ+ こうじ+ ご飯」を重しをして浸ける
ぬたなます・・・江戸時代の和え物「アユを酢でしめ青豆をすったヌタをのばして塩で味付け、柚子の葉が入ってもよい」
 
・養殖アユには3通りの養殖方法がある。特に琵琶湖産の鮎は移植用に適しているといわれていて、稚魚が各地に放流されている。
1、稚魚のアユを育てる。
2、海に降りた稚魚アユ捕って育てる
3、人口孵化
 
 

■アユの歴史では

・食べ方について紹介されている文献
「大和本草」・・・「雄は味よし雌は味おとる」
「本草網目」・・・「最も酢づけにするのによい」
 
・「日本書紀」で登場する鮎
神功皇后が戦運を占ったと記されている。このとき「もし成功するなら鉤を飲め」といって針と糸を垂らすと、”細鱗の魚(アユのこと)”がかかった。
また、神武天皇の即位の時もアユを使って占うという記述がある。
 
・薬と考えられていた
「下り腹を止める」「五臓を補ふ、妊婦に忌む」と、薬になり毒にもなると「魚鑑」にある。
 
・鵜飼は、日本書紀(720年完成)に記されていて、元正天皇の頃に鵜を使ってアユをとる漁法が発見されたと記されているので、少なくとも1300年以上続いていると考えられる。
また、岐阜の長良川では織田信長の庇護の元、鵜飼が重宝されて、1890年(明治23年)以降、宮内省の管轄で伝統行事となっている。
 
 


最後に・・・

アユは古来から身近な魚で、生活にも建国にも関わってきたといってもいいかもしれません。
 
そんなアユは、近年はダムにより水温の変化、汚染による水質の変化、河川工事など様々な理由から個体数が減少しています。その反面、関東では多摩川や、神戸市灘区都賀川では、川を綺麗にしてアユの放流して定着するようになりました。
 
またアユ釣りは、食文化と同じくらい日本人には定着していて、友釣りはその代表ともいえるでしょう。その他、刺し網、投網(とあみ)、簗(やな)という漁法も広く行われています。
 
 
参考:「原色魚類大図鑑・北隆館」「魚と貝の辞典・柏書房」「たべもの語源辞典 東京堂出版」
 
 
  

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