イトウ・伊富魚というサケ科の魚 漢字と名前の由来と語源辞典

   

 
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日本のイトウは北海道や樺太に生息するサケ科の魚で、約1.5mに成長する日本では最大の淡水魚です。この魚は、生息数が激減したことと、滅多に釣れなくなった魚というところから、幻の魚と呼ばれています。そんなイトウについて紹介します。
 


 
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イトウ・伊富魚という魚とは?名前の語源と由来

■イトウ・伊富魚の生態

淡水に生息するサケ科の一種で6種類いるイトウ属の内、一種類だけが日本に生息。北海道、サハリン、千島列島の南部、オホーツク海周辺に分布。
 
昔は青森県や岩手県にも生息していましたが現在は絶滅。また、北海道全土に生息していましたが、大半の河川では絶滅しています。現在は釧路川や釧路湿原周辺、知来別川などに生息しています。
 
6~7年で約50cmくらいに成長、大きいもので約1m、最大のイトウは約2.1mという記録に残っていて、捕食するのは小魚だけでなく、ネズミ、カエルなど陸上生物も対象となる。
 
春から夏は河川の上流で暮らして、秋頃から下流域や海に降りて暮らして、春頃産卵の為に川を遡上する生活を繰り返します。寿命は約15年~20年。因みに、レッドリストには絶滅危惧種より1段階深刻な「近絶滅種」に指定されています。
 

■イトウ・伊富魚の名前の語源

・サケ類の中では、体高が低くて細長い体形をしていること。春頃産卵を終えて、1年で一番やせ細っている時に人目に触れるため細長く見えるところから「糸(イト)のように細長い魚」から「イトウ」という説があります。
 
 


イトウ・伊富魚の名称と分類

サケ目・サケ科・イトウ属、(日本のイトウの固有名称、6種類のイトウの総称)
 
漢字: 伊富、伊富魚、伊当、?? 魚+鬼
学名: Hucho perryi
英名: Ito、Japanese huchen、Sakhalin taimen
別名: イド、イト、チライ、オヘタイベ、オビラメ、イイオ
 

■イトウの分類

サケ科
→ コクチマス属 
→ シロマス属
→ タイセイヨウサケ属
→ イワナ属
→ ステノドゥス属
→ カワヒメマス属
→ サケ属
→ イトウ属
 → アムールイトウ 生息地・シベリアやモンゴル周辺
 → チョウコウイトウ 生息地・長江周辺
 → ドナウイトウ 生息地・ヨーロッパ数か国に流れるドナウ川
 → 高麗イトウ 生息地・北朝鮮
 → メコンイトウ 生息地・中国のメコン川
 → イトウ 生息地・日本
  

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イトウ・伊富魚の話と旬の時期

・旬の時期:10月~3月
河川への放流と食用のために、青森県と北海道で養殖が行われています。
身は白身で脂がのっていて、刺身やルイべにして食べることが多い珍品と言われています。
 
・産卵期:3月~5月頃
野生のイトウは雪解け頃から春にかけて産卵します。
河川の上流の淵と瀬の間あたりに、サケのように産卵床に産みつけます。
 

■イトウの話

大きな体が特徴のイトウには、いくつか逸話が伝わっています。
 
・水を飲みに水辺に来たシカを、川に引きずり込んで食べてしまいました。ところが、そのシカの角がイトウのお腹を突き破ってしまいます。息絶えたイトウが川をせき止めて湖できました。
 
・同じく、お腹を突き破られたイトウは、息絶えたイトウが湖の流れ出しをせき止めてしまいました。湖の水があふれそうになったので、川沿いの住民がこのイトウを移動させたら、台地ごと流れてしまって釧路湿原ができました。
 
・ウサギの子供を餌にしてイトウを釣るといわれていました。その釣れたイトウを柳に括り付けていたら、翌日柳ごとなくなっていました。
 
・「石狩日記」 松浦武四郎著
「カムイコタンの川を遡って数十という場所にチョウザメがいるのはふしぎなことである。四尺くらいのチョウザメを一匹捕らえ、また、三尺くらいのチライを取った」と記述されていますが、このチライとはイトウを指しものです。
 
「この川にチライの三、四尺のものが群れを成して泳いでいるさまは恐ろしいようで、それが水面に頭を持ち上げたりすると、うわばみを取るような気がしたが、モリで四尺くらいのものをとってみるとごくありふれたもので、それほどでもなかった」とも記述されています。
  
・釣ったイトウが大きすぎるので1匹丸ごと持ち帰ることができないので、現地で3枚におろして身だけを持ち帰ったという話もあります。
 
 


最後に釣りをするなら・・・

大物釣りの対象として昔から人気のある魚で、幻の魚と言われていますが養殖が盛んに行われています。北海道や青森では放流をしていますが、関東地方では養殖をして、釣り堀で釣ることも食べることもできます。
  
河川や湖沼での釣り方は、ルアーやフライや通常のエサで釣れますが、生きたドジョウをエサにして釣るという大胆な方法も伝わっています。
 
 
参考:「原色魚類大図鑑・北隆館」「魚と貝の辞典・柏書房」「たべもの語源辞典 東京堂出版」
 
 
 

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 - 魚の語源辞典

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